物性理論研究室を紹介します!

ここでは物性理論研究室を簡単に説明したいと思います。研究テーマや学習内容、どんな人に向いているかなどを知っていただけます。

「物性理論」って何をしているところ?

みなさんは物性という言葉を聞いたことがありますか。聞き馴染みがない言葉ですよね。知らなかった方も、ここでイメージを掴んじゃいましょう!

物性ってなに?

物性物理学は素粒子・原子核論と肩を並べる二大分野の一つで、多数の原子・分子からなる凝縮系を支配する物理法則を解き明かす分野です。物性研究の対象が大幅に拡大している近年では、物性物理学の果たす役割がさらに重要になっています。

物性実験との違いを教えて!

物性物理は理論と実験に分かれています。物性理論では基本的に実験は行わず、紙とペンを使って理論を深め、プログラムを組んで計算・シミュレーションを行っています。

どんな研究テーマがあるの?

物性研究の対象は、金属や半導体などの固体物性から、ソフトマターと呼ばれる物理と化学・生物分野の融合領域まで多岐に渡ります。また東北大学の物性理論グループは国内外問わず最大級の規模であり、物性研究のほぼ全ての分野をカバーしています。超伝導、量子ホール効果、細胞ダイナミクスなど、興味深いテーマがきっと見つかるはずです!

どんな勉強をしているの?

物質の性質を探求する物性理論で主に使われているのが、「量子力学」と「統計力学」という学問です。
量子力学は、原子や電子などの小さいスケールで物理現象を考える際に用いられる理論です。物性理論では、「電子に磁場をかけるとなにが起こるか?」「固体物質中のエネルギー準位の分布によって、物質にどのような違いが表れるか?」など、量子力学を使ってミクロスケールで物理現象を調べています。
また、物質は多数の原子から構成されています。このように多数の粒子が集まった物質全体としての性質を調べるときに使われているのが統計力学です。統計力学は統計熱力学とも呼ばれるように、高校でも習う熱力学の要素を含んでいます。物性理論では、統計力学を使って物質の熱力学的性質を巨視的に調べることで、様々な物理現象を研究しています。

物性理論はどのような人にオススメ?

分野問わず、研究するにあたり最も重要となるのは意欲です。ここでは物性理論の研究に意欲的に取り組めそうな人の特徴を2つほど紹介しますので、進路に迷っている方の参考になれば幸いです。

プログラミングやシミュレーションを将来的にやってみたいと考えている、あるいは既に得意としている

物性理論の研究においては、解析的に解けない問題に挑むことが多いために主にこれらを手段として活用することになるので、研究を楽しく行えるのではないでしょうか。また、本企画ページではシミュレーションを用意していますので、ぜひ体験してみてください。きっと興味を持ってもらえます。

身の回りの現象に疑問を感じたり関心を抱いたりする

これまでの文章でも説明しているように、身近な現象の多くは物性に基づいています。物性という研究対象への興味があるのならば当然意欲は湧きやすいです。研究をしながら自身の知的欲求を満たしましょう!