2. quantum-ESPRESSOのインストール¶
ここでは、quantum ESPRESSO を自分でコンパイルしてインストールする方法を説明します。 インストール方法に関しては以下のページにも情報がありますので、そちらも参考にして下さい。
Windows で直接実行形式をインストールする場合は、2.5のみをご覧下さい。
2.1. quantum-ESPRESSOのダウンロード¶
quantum ESPRESSO のページからメインのソースコードをダウンロードします。(以下バージョン5.3.0で解説していますが、他のバージョンでも基本的にやることは同じです) 以下のファイルをダウンロードして下さい。
- espresso-5.3.0.tar.gz
また8章で紹介する phonon の計算がしたい場合は、
- PHonon-5.3.0.tar.gz
もダウンロードして下さい。
2.2. ファイルの展開とパッチの適用¶
展開したいディレクトリに上記のファイルを置いた上で、以下の通りファイルを展開します。
tar zxvf espresso-5.3.0.tar.gz
cd espresso-5.3.0
tar zxvf ../PHonon-5.3.0.tar.gz (phonon の計算をする場合)
2.3. configure¶
コンパイラなどの環境を調べて make.sys をつくります。 intel のコンパイラ、あるいは gcc, gfortran が入っている状況であれば、
./configure
でうまくいく場合が多いです。fink を利用している場合は
CC=/sw/bin/gcc-5 ./configure
のように fink の gcc を明示してやる必要があります。
LAPACK や FFT のライブラリ等も自動で探してきますが、自分で設定したい場合は、./configure で作成された make.sys を適宜編集して下さい。 なお、この make.sys は configure するたびに上書きされてしまうので注意して下さい。
2.4. make¶
単に make とうつと以下のように出力されます。
to install Quantum ESPRESSO, type at the shell prompt:
./configure [--prefix=]
make [-j] target
where target identifies one or multiple CORE PACKAGES:
pw basic code for scf, structure optimization, MD
ph phonon code, Gamma-only and third-order derivatives
pwcond ballistic conductance
neb code for Nudged Elastic Band method
pp postprocessing programs
pwall same as "make pw ph pp pwcond neb"
cp CP code: CP MD with ultrasoft pseudopotentials
tddfpt time dependent dft code
gwl GW with Lanczos chains
ld1 utilities for pseudopotential generation
upf utilities for pseudopotential conversion
xspectra X-ray core-hole spectroscopy calculations
couple Library interface for coupling to external codes
test-suite Run semi-automated test-suite for regression testing
all same as "make pwall cp ld1 upf tddfpt"
.....
これを参考に必要なプログラムをコンパイルして下さい。普通の計算では、
make pw
make pp
make ph (フォノンの計算をする場合)
としておけば充分です。make pw では、最も基本となるプログラム pw.x が、make pp では pw.x の出力を用いた様々な後処理(バンドや状態密度の出力等)をするプログラムが生成されます。
2.5. Windows へのインストール¶
Windows で実行形式を直接インストールする場合、インストールするPCのWindowsが32bit版か64bit版かを確認しダウンロードサイトから
- qe-5.3.0-32bit-serial.exe
- qe-5.3.0-64bit-serial.exe
のいずれかをダウンロードしてください。 ダウンロードしたファイルを実行すれば自動的に実行形式がインストールされ、 実行形式へのパスの設定も自動で行われます。 実行形式名は ??.exe となっていますので、以下の説明でコマンドを実行する際
% ~/espresso-5.3.0/bin/pw.x < graphene.scf.in > graphene.scf.out
のようにありますが、全て
% pw.exe < graphene.scf.in > graphene.scf.out
と読みかえてください。