Research

ペロフスカイト型コバルト酸化物の電子状態に関する研究

ペロフスカイト型コバルト酸化物において主な物性を担うのはCoイオンである。

この場合、Coイオンには Low-Spin , Intermediate-Spin , High-Spin の3つの電子状態が存在する。
それらが様々な相互作用により競合しあっている。

以前からこの物質に関して様々な実験がなされており、興味深い物性が観測されている。
しかし、それらを説明できる理論はまだ確立されていないというのが現状である。

それらの物性を、解析的・数値的アプローチで明らかにする事を目的としている。

● 物質構造

ペロフスカイト型コバルト酸化物は以下のような構造を持っている

LaCoO3

左図 : ペロフスカイト型構造
これによってCoの3d軌道は結晶場分裂を起こす。

右図 : 菱面晶格子(オレンジ)
格子歪みが存在し、αの値が60°から変化する。


● Coイオンの電子状態


3d軌道が結晶場分裂でeg軌道とt2g軌 道に分裂する。
その分裂した軌道への入り方により、3つの電子状態が存在する(Low-Spin , Intermediate-Spin , High-Spin)

様々な相互作用の競合の中で、どのような状態が安定化するのかを理論的に解明する事が研究の目標である。

結晶場分裂


電子状態


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