1. quatum ESPRESSOの実行環境構築

ここでは、quantum-ESPRESSOの実行環境を構築する方法をいくつか紹介します。

1.1. MateriAppsLive! を利用する方法

MateriAppsLive! を用いると、気軽に様々な計算物質科学アプリケーションを試せる環境を用意できます。 以下の要領でVirtualBoxとMateriAppsLive!をインストールするだけで、quantum ESPRESSOや様々なアプリケーションがインストールされたLinux環境を利用できるようになります。

注釈

現在(2023/03)、MacのM1/M2環境ではVirtualBoxは正式には対応していません。 MacのM1/M2環境ではDockerバージョンを利用してください。 Dockerバージョンのインストールは こちら を参考にしてください。

  1. VirtualBox のインストール

    まず、仮想化ソフトであるVirtualBox( https://www.virtualbox.org ) をインストールします。 Windows 版(windows hosts)と Mac 版(OS X hosts)がありますので、利用しているOSに合わせてダウンロードし、インストールしてください。

  2. MateriAppsLive! のインストール

    次に、http://cmsi.github.io/MateriAppsLive/ から LIVE! Image の最新版 ( 2023年3月時点の最新版は MateriAppsLive-4.0-amd64.ova ) をダウンロードしてください。(容量が 3GB近くあります) VirtualBox がインストールされた状態で、このファイルをダブルクリックすれば MateriAppsLive! がVirtualBox にインポートされます。

  3. MateriAppsLive! の起動と設定

    最後に、VirtualBox から MateriAppsLive! を起動してみてください。起動ボタンを押してしばらくすれば、ログイン画面が表示されます。 そこで、アカウント名に「user」、パスワードに「live」と入力すればログインできます。

    うまく起動できたら一度仮想マシンをシャットダウンしてください。 次に、VirtualBoxの「設定」から「共有フォルダー」を選び右端にある+ボタンで共有フォルダーを追加してください。 共有先は好きな場所を選んでください。 「自動マウント」にチェックを入れてください。

MateriappsLive!のページ やそこからリンクが張られている[Setup] の先のページなども参考にしてください。


1.2. WSLを利用する方法(Windows限定)

WSL(Windows Subsystem for Linux)はMicrosoft社が提供している、Windows上で動作するLinux実行環境です。 様々なlinuxのディストリビューションがインストール可能ですが、Ubuntu を入れれば簡単にquantum ESPRESSOもインストールできます。

WSLのインストールは こちら や他にも様々な解説サイトがありますので、そちらを参考にしてもらえればよいですが、基本的にはPowerShellで

wsl --install

とコマンドを実行するだけです。

Ubuntuがインストールされたら、あとはUbuntuのコンソールウィンドウで

% sudo apt update
% sudo apt install quantum-espresso

と実行すればquantum-ESPRESSOがインストールできます。


1.3. Ubuntuを利用する方法

WSLもUbuntuを利用した方法でしたが、もともとUbuntuがインストールされた環境があれば

% sudo apt update
% sudo apt install quantum-espresso

とすればquantum-ESPRESSOがインストールできます。

また、Windows/Mac/Linux上で仮想環境としてUbuntuを実行する方法として、 Ubuntuの開発元である Canonical が提供している Multipass をインストールする方法もあります。


1.4. Quantum ESPRESSOをコンパイルしてインストールする方法

Fortranをコンパイルできる環境があれば、直接ソースコードをコンパイルすることもできます。 詳細は ユーザーガイド を確認してください。