最近は、第一原理計算に基づいて以下のような様々な研究をしています。
  • 手法開発
  • 第一原理計算をもとに、様々な物性を計算する手法を開発、実装しています。 最近の成果としては、超伝導転移温度を計算する手法の開発、ジャロシンスキー守谷相互作用を評価する手法の開発などがあります。
  • 物性の計算
  • 実験結果が第一原理計算からどれぐらい説明できるのか、実際に実験と比較しながら様々な物性を計算し、物質の性質を明らかにしています。 具体的に計算しているものとしては、バンド構造、熱電特性(ゼーベック係数など)、異常ホール効果、異常ネルンスト係数などがあります。
  • 物質設計
  • 様々な物性を計算した経験をもとに、また、データベース上の様々な物質を計算し、機械学習などを用いることにより、新しい物質の設計を目指しています。 最近の成果としては、磁気熱電効果を示す鉄系材料を理論計算から発見しました。


いくつかの研究に関しては以下のようなプレスリリースを出しています。

我々のグループが開発に携わっているオープンソースのコードに以下のようなものがあります。
  • wan2respack
    wannier90で得られるワニエ関数を用いてクーロン相互作用を評価するコード(RESPACK)を利用するための接続を行うコードです。
  • sparse-ir
    温度グリーン関数における虚時間方向の情報を圧縮し,計算を高速化させるためのライブラリです。 我々のグループでも様々な場面で利用しており, tutorial の作成に寄与しています。
  • symwannier
    wannier90のワニエ関数を対称性を用いて高速に生成するためのコードです。対称性を保持したワニエ関数を生成することもできます。
  • cif2qewan
    cif形式の結晶構造ファイルからquantum-ESPRESSOとwannier90を用いてワニエ関数を生成するためのインプットを自動生成するコードです。
  • lambda_weight
    quantum-ESPRESSO で電子格子相互作用λを計算する際の収束性を向上させるためのコードです。
  • wannier90
    最局在ワニエ関数を生成するための最も有名なコードで世界中の研究者が開発,利用しています。


計算には、主にオープンソースの第一原理計算コードであるquantum-ESPRESSOを利用しています。 quantum-ESPRESSO の使い方についてのチュートリアル を書きましたので、参考にしてください。(新学術領域研究「原子層科学」主催の第一原理講習会資料です。)