Mar 2006

別刷到着

日本臨床環境医学会から,論文別刷りが届きました.昨年7月,久留米で行われたシンポジウム講演をまとめたものです.電磁場の生体影響に関する議論には,電磁気学の基本に対する「誤った理解」から,唖然とするような議論が(世間一般のみならず)専門家によっても繰り返されています.そこで,これら「反面教師」の発言を例にとりながら,電磁気学を含む物理学の基礎を考えてみたのがこの論文です.

「ニセ科学」批判というものがあります.真実の追究が研究者に対する社会的付託であるならば,「ニセ科学批判」を行うことは研究者として当然の義務です.むしろ,これを行わないことは,専門家集団としての「不作為」ともいえるでしょう.
しかし不思議なことに,これら「専門家たちのニセ科学」に対して「ニセ科学批判」で著名な方々が(事実を知りつつ)目をつぶっている例があります.学術会議の声明を引用するまでもなく,専門家は一般人よりより高い倫理(職業倫理)が要求されます.専門家がニセ科学を行ったのでは,社会は成り立たなくなるからです.
「健全な」ニセ科学批判が必要です.

ニセ科学批判の二重基準(ダブルスタンダード),不作為の問題については,別の機会にじっくり考えてみたいと思います.

論文別刷を多少多めに作りましたので,必要な方はご連絡ください.郵便でお送り致します.