那須グループ

当グループでは、強相関電子系を理論的な側面から研究しています。特に、固体中の電子の持つ電荷・スピンの自由度に加えて、どの局在軌道を占有するかの自由度である軌道の自由度が、物性にどのような影響を与えるかに興味を持って研究を行っています。 磁性や誘電性、超伝導などの機能性の多くは電子間や電子と格子の間の相互作用を起源としています。 軌道自由度は特異な物性発現の裏方として重要な役割を果たすことがこれまで知られていましたが、最近では、それ自体の量子ダイナミクスにも面白い特徴があることが認識されています。 当グループでは、そのような軌道自由度自身が待つ電子雲の異方性などの特徴に由来した量子現象に注目して研究を行っています。その中でも、
- 量子ゆらぎによって低温まで磁気秩序が抑制された量子スピン液体
- 電子と正孔のペアである励起子の凝縮によって生じる励起子絶縁体
- 軌道自由度と格子振動の結合であるヤーンテラー効果
- スピン軌道相互作用などに由来した量子トポロジカル物性
- 強相関電子系における熱輸送やスピン輸送現象
- 強相関電子系のスピンダイナミクスや非平衡現象
当グループでは、意欲のある学部学生、大学院生を広く募集していますので、少しでも興味をお持ちの方は遠慮なく那須までe-mail等でご連絡ください。 また、泉萩会々報にも研究内容の簡単な紹介が掲載されておりますので、そちらも合わせて参考にしてください。
お知らせ
- 2022年11月16日 任意の長さのスピンを持つキタエフ模型の基底状態に関する論文が出版されました。
- 2022年11月15日 キタエフ量子スピン液体におけるスピン輸送に関する記事が固体物理の特集号に掲載されました。
- 2022年11月14日 山田 昌彦 氏(学習院大学)が来訪し、物性コロキウムおよびセミナーが開催されました。
- 2022年11月4日 ルテニウム化合物に関する京都大学等との共同研究の論文が出版されました。
- 2022年10月1日 B4が3人配属されました。
- 2022年7月25日 長距離相互作用を持つキタエフ量子スピン模型に関する論文が出版されました。
- 2022年7月20日 大久保 毅 氏 (東京大学大学院理学系研究科)が来訪し、集中講義および物性コロキウムが開催されました。
- 2022年7月14日 キタエフスピン液体中のスピン輸送におけるflux散乱現象に関する論文が出版されました。
- 2022年6月17日 電気トロイダル双極子秩序による反対称熱分極を提案した論文が出版されました。
- 2022年4月1日 新M1が3人配属されました。
- 2021年10月1日 東北大学大学院理学研究科物理学専攻へ異動しました。