我々のグループでは、強相関電子系を理論的な側面から研究しています。特に、固体中の電子の持つ電荷・スピンの自由度に加えて、どの局在軌道を占有するかの自由度である軌道の自由度が、物性にどのような影響を与えるかに興味を持って研究を行っています。
磁性や誘電性、超伝導などの機能性の多くは電子間や電子と格子の間の相互作用を起源としています。
軌道自由度は特異な物性発現の裏方として重要な役割を果たすことがこれまで知られていましたが、最近では、それ自体の量子ダイナミクスにも面白い特徴があることが認識されています。
本グループでは、そのような軌道自由度自身が待つ電子雲の異方性などの特徴に由来した量子現象に注目して研究を行っています。 その中でも、
- 量子ゆらぎによって低温まで磁気秩序が抑制された量子スピン液体
- 電子と正孔のペアである励起子の凝縮によって生じる励起子絶縁体
- 軌道自由度と格子振動の結合であるヤーンテラー効果
- スピン軌道相互作用などに由来した量子トポロジカル物性
- 強相関電子系における熱輸送やスピン輸送現象
- 強相関電子系のスピンダイナミクスや非平衡現象
などを中心に、主に数値計算によって研究を進めています。
本グループでは、意欲のある学部学生、大学院生を広く募集しています。研究内容や最近の研究は
トピックをご覧いただければと思いますので、少しでも興味をお持ちの方は遠慮なく那須までe-mail等でご連絡ください。
また、
泉萩会々報にも研究内容の簡単な紹介が掲載されておりますので、そちらも合わせて参考にしてください。