オンラインで体感!物性物理学の理論研究
(このページ閲覧に費やす時間の目安:20分)ここは物性理論研究室によるオープンキャンパス企画ページです。
物性理論研究室では、物質の様々な性質を、理論的な手法により研究しています。
研究室の紹介はこちら。
クイズラリー (Q.2)
このページで実演している幾つかの数値シミュレーションでは、確率を表現するために、○○法を利用している。○○には地名が当てはまるが、以下のうちどれか?- ブダペスト
- ハイデルベルク
- モンテカルロ
- ベネチア
数値計算を実行してみよう!
以下では、研究活動の一端に触れてもらえるよう、簡易的な数値計算をお試し下さい。注意:数値計算は、ブラウザ表示している端末上での実行となります。パラメータの選び方やご使用の端末によっては、大きな負荷がかかるかもしれません。作成チームで複数端末を用いた動作確認をしてはいますが、予期しないバグを含んでいるかもしれません。動作に際しては、これらをご了承下さい。
モンテカルロ法による数値シミュレーション
対象とする系を数値的に解析する際、計算機が発生する乱数を用いて確率を表現し、近似的な計算を行う方法が用いられることがある。この方法は、カジノで有名なモナコ公国の地区、モンテカルロにちなみ、モンテカルロ法と呼ばれています。物性物理学の理論研究においてもよく用いられる手法です。モンテカルロ法を用いると、円周率を計算することも出来ます (解説はこちら)。
以下では、幾つかの対象に対してのモンテカルロ法を用いたシミュレーターを示しますので、数値計算を試して下さい。
バクテリアコロニー成長モデルのシミュレーター
バクテリアは触手を伸ばすように成長しコロニーを形成する様子が確認できますよ。
ゴム弾性モデルのシミュレーター
ゴムを温めると縮みますね。おもりがぶら下がったゴムが縮む様子が確認できますよ。
小さな磁石が相互作用しているモデル(イジングモデル)のシミュレーター
低温では小さな磁石の方向が揃って全体として大きな磁石となる様子、温度を上げると小さな磁石はバラバラの方向を向いて、全体としては磁石にならない様子が確認できるかな。
量子力学の世界を数値計算
数値計算の方法には、モンテカルロ法以外にも様々な方法があります。 他の手法による数値計算を以下でお試し下さい。トンネル効果のシュミレーター
量子力学の記述する世界では、粒子は壁をすり抜けることが出来ます。これはトンネル効果と呼ばれています。数値計算でこの様子を確認して下さい。左から右に動く波束が粒子を表します。壁にぶつかった後、右側にも波束がしみ出している様子が確認できると思います。カーボンナノチューブのエネルギーバンド
結晶のなかを動き回る電子は量子力学の法則に従います。結晶中の電子のエネルギーを量子力学により計算することで、結晶の電気的性質を知ることが出来ます。ここではカーボンナノチューブのエネルギーバンドを計算してみましょう。カーボンナノチューブの構造は2つの整数の組\( (n, m) \)で指定されます。\( n - m \)を\(3\)で割った余りがゼロの場合には、カーボンナノチューブは金属、それ以外のカーボンナノチューブは半導体となることが知られています。この性質はエネルギーバンドを計算することで確認できます。(計算されるエネルギーバンドにおいて価電子帯はゼロエネルギー以下、伝導帯がゼロエネルギー以上に現れます。ゼロエネルギー付近に状態が現れれば金属、ゼロエネルギー付近が禁制帯となる場合は半導体です。)
より詳しく知りたい方へ
ここでの説明は、厳密さを欠いた、ざっくりとしたものとなることをご容赦ください。より詳しく知りたい方は、検索エンジンなどで調べてみてくださいね。または、理学部物理学科、理学研究科物理学専攻への進学を検討して下さい。メンバー紹介
この企画ページの作成に携わったメンバー、および、資料提供などに協力して下さった方を紹介します。企画担当メンバー
シミュレーション: | 中村牧人、及川達希、長谷川博紀、古賀崚大、松井晏輝、橋川莞、佐田優一、寺尾雄大、櫻井駿、武重想太、渡邊一樹、山田凌太 |
プログラミング体験: | 滑川 翔太、荒木 空、太田 那生也、星野 銀太 |
研究紹介: | 有本勝洋、齋藤寛人、秋山和範、原田千宏 |
資料提供などご協力いただいた方々
横山 寿敏、村島 隆浩